不正のプロファイル ①-上

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その1、財務諸表不正。

 

不正のプロファイリングという言葉は、正しくは「不正実行者の行動パターンをプロファイリング」するという言い方が正しい。

最初に、財務諸表不正のケースを2つ取り上げてみたい。いずれのケースもキーセンテンスは「誰が不正を主導したのか」というだ。

 

2015年フジテレビの連ドラ「リスクの神様 第8話」ではこんな内容が展開されている。

 

総合衣料メーカーが不正会計の舞台で、話しは5年さかのぼりファストファッションメーカーの台頭で急激に業績悪化した際に、その状況報告を受ける社長と財務部長の会話;

社長:「赤字は絶対に困る! 銀行にも今期は好調と伝えてあって、今更、赤字では資金融資を引き上げられてしまう。あなた経理部長でしょ。」

財務部長:「最善を尽くします」

(経理部長は、これを実質的な粉飾の指示と認識し、来期の売上を前倒し。赤字を黒字にすりかえて決算報告を行う。株主総会乗り越え、銀行の融資も無事継続し、株価も上昇、その時は会社の役に立てたと充実感で一杯となる。ただそれは破滅への第一歩。翌年の計画は黒字実績を基にさらに上積みされるも、会社の成長力はもはやなく、翌年も赤字が膨らみ、粉飾の辻褄を合わせる為に前倒しする金額が年々増え続け。。。)

そんな折、3年前の時点に実情を社長に打ち明けるも社長の応対は;

社長:「会計操作を?あなた何やってるの、誰の指示でそんなことを?」

経理部長:「あの時、社長が赤字は困ると。それで私、」

社長:「赤字を嘆くのは経営者として当然。不正会計はあなたが勝手にしたこと、なかった事にしてください」

経理部長:「。。。」

 

その後、経理部長は更に追い込まれ、投資に手を出すも失敗。ついに親会社の危機管理室に自らが内部告発メールを出して自体が明るみに。
 


画像引用元:http://www.kaikeinet.com/topics/20150609-16685.html

 

次は実在の話し。ある会社では平成20年度から26年度における税引前利益の過大計上が一千数百億円にのぼる「不適正会計」が行われていた。その際に歴代社長が「刑事責任」を問われる可能性があるか、ないかという話し。第三者委員会の調査報告書では、以下の事が述べられている。

この会社は、各事業部門を独立した会社に見立てて運営するカンパニー制を導入している。一連の『不適切会計』処理は、社長らコーポレート側が、各カンパニーに損益の改善を強く求めた(いわゆる『チャレンジ』)ことが引き金となっている。社内カンパニーのトップは自ら不適切会計処理を指示していたようだが、歴代社長らが不正な会計処理を直接的に指示していたことまでは認定できない。ただし、社長らコーポレート側の認識について、報告書では、意図的な当期利益のかさ上げや費用・損失計上の先送りを社長らが認識していた上で、中止や是正を指示しなかったことは認定している。

つまり、現場の各事業部門長(カンパニー側の長)の責任は問えても、会社全体のトップである社長は財務、経理の実務の処理に関知していないようなケースである。社長からの『チャレンジ』の声がカンパニーに対する損益改善要求であったのか、それを超えた損益調整という違法な会計処理に向けられたものなのか?
 

川島肇

FREMONT BUSINESS SOLUTION (HK) LTD.

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