みなさんはメモの力を軽視していませんか?

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第70回
~『上司は「メモ」で仕事をすすめなさい』(高井伸夫著)を読んで学んだこと~
 
問題は文字に起こすとことで見える化されます。
 
本書は管理職の仕事の仕方について書かれていますが、管理職ではなくても、他人と一緒に仕事をしている人ならぜひ知っておいて欲しことがふんだんに書かれています。
 
ちなみに、本書のタイトルに「メモ」とあるのでメールやチャットではダメなのか?この人は昔ながらのやり方にこだわる固陋な人だ。と、思った人もいるかもしれませんが、それは完全な勘違いです。今回引用した部分よりも後に書かれていますが、著者もメールを使いますし、メールを使うことを否定していません。チャットについては、本書が出版された時点では、まだチャットでコミュニケーションを取ることは浸透していなかったので言及されていないのであって、今書かれた本であれば恐らく言及していたと思います。
 
いずれにせよ、肝となるのは、頭で考えていることを頭の中だけに留めておかず、紙起こすことが大事だということです。もちろん、口に出すだけでも頭の中だけで考えているよりは効果がありますが、簡単に消えない文字記録として残すことの重要性を説いています。それもそのはずで、文字に残すことで、書いたときとだけでなく、それを見ることで復習にもなるからです。
 
では、以下に本書で特に気になった部分を引用します。
 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/書き込み-計画-ビジネス-スタートアップ-起動-ノートブック-593333/

【この本のポイント!】

 
上司は
「思いつき」でものをいってはいけない
 
「詞は飛び、書は残る」
 
方針・方向性はこれから進むべき方向、目指す方向であり、チーム全体の基準になる目的、目標を示すものです。
上司の意思に沿って部下を動かすことを「指示」だと考えるのならば、大きな意味で方針・方向性も指示のひとつだと考えられます。ここまで、個別の仕事についての指示をどうメモで出すか、という方法を述べてきましたが、最も大きな指示である方針・方向性についても、ここでご説明しておきましょう。
 
私の好きな言葉に、ニーチェの「偉大とは方向性を支持することなり」というものがあります。価値あることは、的確な方向性を思慮分別をもって知り、舵取りを間違えないことなのです。上司はこれを率先してチームに示さなければなりません。言い換えれば、ビジョンを指し示すことが、上司の最大の仕事なのです。
そしてこの方針や方向性も、メモで示すべきもののひとつです。
仕事のチームや組織を引っ張る上司には「一貫性」が求められます。方針がコロコロ変わる上司の統率力に疑問符がつくのはいうまでもないこと。
しかし、思うこと、考えること、感じることは、時々刻々と変化していきます。(中略)
メモに書くことで、方針や方向性のブレに歯止めをかけられるからです。(後略)
 
『上司は「メモ」で仕事をすすめなさい』P91~P92
 
 
部下からのメモに
上司はどう答えるべきか?
 
絶対にやってはならない「返答なし」
 
(中略)部下からメモを受け取った際、「最もやってはいけないこと」はなんだと思いますか?
受け取ったメモを無視する、なんのレスポンスも返さないことです。
どんなにわかりきったことであっても、くだらないと思うようなことであっても、なんらかの返答だけはするべきです。それも、早ければ早いほどいい。(中略)
そもそも、返答をしないということは、その者を部下として扱わない、ということを意味します。もし、返事をしないのであれば、そうした認識を持ち、覚悟をしたうえですべきことなのです。(中略)
しかし、メモに返事をするとき、こまごまと微(び)に入り細(さい)を穿(うが)って書き込んでしまうのはちょっと難ありです。メモは、端的にして簡単明瞭であることが大切だからです。
たとえばあなたが、講演会の企画の進捗が問題なく進んでいることを、メモで報告したとしましょう。
 
了解、ごくろうさま。講師の〇〇さんへの資料だけは忘れずに。
 
というメモを受け取った場合と、
 
了解。期日までにしっかりやってください。進行そのほかの報告も欠かさないように。それと講師の〇〇さんに、Aの資料をまとめてFAXとメールで送っておいてください。わからないことがあれば、私の携帯(〇九〇-〇〇〇-×××)に連絡を。
 
というメモを受け取った場合、どちらが次の行動に移りやすいでしょうか。
 
『上司は「メモ」で仕事をすすめなさい』P116~P119
 

画像引用元:https://pixabay.com/ja/書き込み-ペン-男-少年-男性-インク-紙-鉛筆-手-指-1149962/
 
上司は思いつきでものを言ってはいけない。
部下に指示する時は簡単明瞭に。
 
この2つの言葉を聞いてギクッとした人は少なくないと思いますが、わかっちゃいるけどなかなかできないことでもあると思います。
 
まず一つ目の思いつきでというところは、朝令暮改のことを指しますが、これにしても、それをよしとする人もいれば、それを「ブレている」と捉えてよくないという人もいます。前者を支持する格言としては、
 
過(あやま)ちて改(あらた)めざる、是(これ)を過(あやま)ちという
 
という論語の一節があり、間違いを知っていながら改めないことが、本当の間違いだ。という意味ですが、この格言は素晴らしいからといって、言ったことを直ぐに直すと朝令暮改やブレていると非難されます。
 
もちろん、世の中は常に変化していますので、それに応じて変えなければいけないことも少なくありません。たとえば、命令を発した時点でその前提となる情報が不足しており、その情報が入った時点で、さっきの命令が間違いであったことに気づいた場合は、朝令暮改のそしりを受けても直ぐに直すべきでしょう。これについては、臨機応変に対応したと褒められる部分があっていいと思います。
 
ただ、その情報を入手する努力を怠っていたり、あるいは他の方法で簡単に防げたミスであったのなら、それは臨機応変ではなくただの職務怠慢です。確認側の凡ミスで他の人に迷惑をかけてしまうのですから、これは非難されて当然でしょう。
 
このようなことは、メモを活用することでより明確化され、ミスを減らすことができます。いわゆる見える化ですね。
 
二つ目は、上司として心配なのはわかりますが、これでは部下はいつまでたっても育ちません。このような指示は、基本的には上司の方で留めておくべきことであって、部下の状況に応じて適宜出すのがいいです。もし、上司側が自分が忘れてしまうからと部下にすべて投げてしっているのであれば、これはこれでまた職務怠慢です。
 
そうはいっても、忙しくなると部下に構っていられないから仕方ないという人もいるかもしれませんが、それはそれで自分のその忙しい仕事を部下に振って部下を育てるという視点に欠けているため、これはこれで問題ありです。
 
いずれにせよ、本書は今回引用した2ヶ所の他にも目から鱗の内容が盛りだくさんですので、チームで仕事をしている人にはぜひ一読していただきたいです。
 
一介の読書オタクより
 

画像引用元:https://www.amazon.co.jp/上司は「メモ」で仕事をすすめなさい―最強のチームをつくる高井流指示システム-高井-伸夫/dp/480471670X/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1514625727&sr=8-1&keywords=%E4%B8%8A%E5%8F%B8%E3%81%AF%E3%80%8C%E3%83%A1%E3%83%A2%E3%80%8D%E3%81%A7%E4%BB%95%E4%BA%8B%E3%82%92%E3%81%99%E3%81%99%E3%82%81%E3%81%AA%E3%81%95%E3%81%84
 
参考図書:『上司は「メモ」で仕事をすすめなさい』
発行年月:2006年4月
著者:高井伸夫(たかい・のぶお)
発行所:大和出版
※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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