実はあなたもリーダーの一人です!

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第50回

~『経営者に贈る5つの質問』(P.F.ドラッカー著)を読んで学んだこと~

 

決断するということは、責任をとるということ

 

読書オタクシリーズの50回目でご紹介する本は、かの著名な経営学者であるピーター・ドラッカーの著作です。

ちなみに、読書オタクは、何週間も前にあらかじめ本を選定しておくということはせず、たいていは、ちょうど読んでいる本か、忙しくてちょうど読んでいる本がなければ、以前読んだことがある本を取り出して書評を書きます。締め切りに追われているのはいつものことですが(笑)、今回は後者であり、以前読んだことがある本を引っ張り出してきたため、偶然50回目がドラッカーの本となった次第です。

それより、いつものとおり写真を拝借するべくアマゾンで本書を検索したところ、7年も前に本書を買っていたことに気づき驚きました。アマゾンの場合、ログインした状態で商品を検索すると、画面の上部に、

お客様は、○○○○(日付)にこの商品を注文しました。

と表示されます。私の場合はかなり多くの本を持っており、その中にはとある社長さんからいただいた大量の本も含まれていますが、たいていはアマゾンで買っていますので、同じ本を買わなくても済むという意味では非常に助かる機能です。

本題に戻ります。
本書はタイトルのとおり、経営者向けに書かれた本であることは確かですが、一方で、経営者だけでなく、組織に所属しているあらゆる人は、すべてリーダーシップを発揮する必要があるともドラッカーは説いています。また、仕事を進めるうえで大事なことが満載です。

少し引用が多いかもしれませんが、読書オタクとして気になったところを以下に抜粋して引用します。

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%81%AE%E7%B2%BE%E7%A5%9E-%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF-%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%83%AD-%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%83%E3%83%88-%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%B3-%E7%B5%8C%E6%B8%88-207319/

 

【この本のポイント!】

行動が伴わなければ意味はない

「最も大切な5つの質問」とは、今行っていること、行っている理由、行うべきことを知るための経営ツールである。
それは、「われわれのミッションは何か?」「われわれの顧客は誰か?」「顧客にとっての価値は何か?」「われわれにとっての成果は何か?」「われわれの計画は何か?」という五つの問いからなる経営ツールである。すべてが行動につながる。何ごとも行動が伴わなければ意味がない。
増大する一方のニーズに応え、難局にあって成果をあげていくには、ミッションに焦点を合わせ、成果をあげていかなければならない。(後略)

『経営者に贈る5つの質問』P2~3

建設的な不同意が必要

意思決定には守るべきルールがある。重要なことで容易にコンセンサス(意見の一致)が得られたときには、そのまま決定を行ってはならないというルールである。諸手を挙げての同意は、何も考えていないことを意味する。組織が行わなければならない決定とは、重要であるだけでなく危険を伴う問題である。意見が割れて当然である。
(中略)意見の違いを大義の対立にしてはならない。問題を避けてはならない。しかし、しこりを残してもならない。
あらゆる組織が内部に反体制派を必要とする。(後略)

『経営者に贈る5つの質問』P6~7

知識と意図を行動に変える

何ごとにも満足することなく、すべてを見直していかなければならない。だが最も見直しが求められるのは、成功しているときである。下向きに転じてからでは遅い。
明日の社会をつくっていくのは、あなたの組織である。そこでは全員がリーダーである。ミッションとリーダーシップは、読むもの、聞くものではない。行うものである。
「5つの質問」は、知識と意図を行動に変える。しかも、来年ではなく、明日の朝にはもう変えている。

『経営者に贈る5つの質問』P7~8

ミッションは働くことの意味を示す

(中略)いかに素晴らしい機会であろうとも、ミッションに合わないならば、「ありがとうございます。しかし……」と答えなければならない。
ミッションをもつことは、激動の世の中ではますます重要になる。世界がどう変わろうとも、人は、誇りあるものの一員たることを必要とする。人生と仕事に意味を必要とする。(後略)

『経営者に贈る5つの質問』P19~20

リーダーシップとは責任である

(中略)成果が何であり、何に力を集中すべきかを明らかにしなければならない。ミッションが責任を規定する。リーダーたる者は、資源の浪費を防ぎ、意味ある成果を確実なものにするために、何を行うかを決定する責任をもつ。

『経営者に贈る5つの質問』P60

ニーズ志向から成果志向への大きな転換

(中略)失敗したならば、その失敗を認め、他の人たちの参考にしてもらうだけの勇気はあるか。(中略)
失敗を認めず失敗の経験を共有しようとしないなどということは、失敗を惨事に変えるだけである。(後略)

『経営者に贈る5つの質問』P61~63

ミッションを確認し、目標を設定する

(中略)ミッションを実現するためには、明日のゴールと今日の行動が不可欠である。もちろん計画が明日を決めるわけではない。そのような考えは愚かというよりない。明日は予測不可能である。計画とは、行くべき場所と行き方についての目論見を規定するだけである。判断やリーダーシップを不要にするわけではない。分析、勇気、経験、直観が重要な役を果たす。スキルよりも責任が大きな意味をもつ。

『経営者に贈る5つの質問』P69~70

組織が成果をあげるための八つの条件

(中略)マネジメントとは目的ではなく手段である。われわれはミッションをマネジメントしなければならない。(中略)
リーダーのメッセージは一貫している必要がある。メッセージによってコミュニケーションは行われる。(中略)
リーダーは一人ではない。(中略)組織のあらゆる階層において、リーダーを育て、リーダーとして活躍させる必要がある。
リーダーシップとは全員が共有すべきものである。(中略)
リーダーが風見鶏であってはならない。確固たる存在でなければならない。リーダーとは組織そのもの、価値観、基本の化身たるべき者である。
リーダーとは範となる者である。約束を守る者であるリーダーシップとは、いかに行うかではなく、何を行うかにかかわることである。(後略)

『経営者に贈る5つの質問』P89~94


画像引用元:
https://pixabay.com/ja/%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%B3-%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC-%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97-%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E7%94%B7%E6%80%A7-%E3%82%AA%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8-%E4%BA%BA-152572/

 

目標を立て、計画を立て、そして、実行する。当たり前のことを書いているといえばその通りかもしれませんが、他方で、その当たり前のことができていない人がほとんどではないでしょうか?

ほとんどの人は、明確な目標を立てず、計画だけ立て、多忙を理由に実行しない。つまり、夢想するだけで終わってしまっています。

先日お会いしたある社長さんは、その昔、社員に向かって、10年後に自社ビルを建てる!と宣言したそうです。ところが、宣言したその時は、事務所さえなく、社員からは、まず事務所を何とかしてくださいと言われたそうです。

この話をお聞きしたとき、ソフトバンク創業時の孫さんがみかん箱の上に乗り、アルバイト2人に向かって、「ソフトバンクは1兆、2兆と数えてビジネスをやる会社になる。豆腐屋の心意気だ」と語ったという話を思い出しました。

ちなみに、例の社長さんは宣言からちょうど10年目に自社ビルを建てたそうです。彼は還暦を超えた今でも現役バリバリです。というより、還暦を越えているようにはまったく見えず、驚いてしまいました。

いずれにせよ、この社長さんも目標を立てることの大切さを説いておられました。目標を立て、それに向かって実際に行動することで、何が足りないかがわかるというのです。

ただ、毎回締め切りに追われている、つまり、計画性に難がある読書オタクが言うと説得力がありませんが、目標や計画を絶対視するのは良くありません。

事前に計画を立てることは大事ですが、あまりにも繊密な計画は、えてして、足かせになる可能性があるということです。ドラッカーも本書で書いていますが、組織として計画を立てるのは大事ですが、実際の運用は現場に任せるという柔軟性が大事であると説いています。

計画を立て、アクションプランに落とし込み、それを確実に実行していくことは、無計画でダラダラとしてしまうよりも、成果を上げるという意味では重要ですが、それを絶対視し過ぎるのは危険です。なぜなら、世の中は常に変化しているからです。

以前読んだ稲森和夫さんの本には、朝令暮改ならぬ、朝令朝改も仕方なしと書いてありましたが、これは、上杉鷹山も教訓としていた論語の一節である「あやまちて改あらためざる、是これを過あやまちという」につながる考え方です。

 


画像引用元:
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ところで、計画を立てることと密接に関わってきますが、時間に関する考え方について、日本人と中国人の違いを表すたとえ話があります。

要は、期日まで1ヶ月あるとして、日本人はもう一ヶ月しかないと考える人が多く、中国人はまだ一ヶ月もあると考える人が多いということです。中国の人はパワーがある人が多いので、締め切りギリギリになっても何とかしてしまう場合が多いですが、逆に、それに甘えて計画を立てることがなおざりになっている可能性があると思います。

一方で、日本人の場合は、何でも一年計画を立てる傾向にあるような気がします。つまり、一年も前から一年後のことまでキッチリ決めてしまうのです。これはこれで悪くないのですが、他方で、柔軟性に欠けるという欠点があります。

つまり、この二つの考え方の中間ぐらいがちょうどバランスが取れていて良いのですが、まぁそんなに簡単な話ではありませんね。

いずれにせよ、一番大事なことは行動することです。なぜなら、どんなに素晴らしい目標や計画を立てたところで、実行に移さなければ何も始まりません。そして、行動をする前には決断する必要があり、決断をするということは、その決断に対して全責任を負うということです。

ドラッカーは、リーダーとは責任であり、何を行うかを決定する責任をもつと言っています。また、自分の行動は自分で責任をもつというのが基本です。つまり、今の状態がどのようであれ、今の自分の状態を決めたのは自分であり、それに対する責任は発生しているのです。よって、自分はリーダーではないと思っている人であっても、自分自身に対しては、多かれ少なかれリーダーシップを発揮しているのです。つまり、世の中には人間の数だけリーダーがいということになります。

ともかく、今の自分がどのような状況であれ、自分のことは最終的には自分で決め、それに対して責任をとり、自分は自分自身のリーダーであるということを自覚した時、自分らしい人生を歩めるようになるのではないでしょうか?

 

一介の読書オタクより

 


画像引用元:https://www.amazon.co.jp/%E7%B5%8C%E5%96%B6%E8%80%85%E3%81%AB%E8%B4%88%E3%82%8B5%E3%81%A4%E3%81%AE%E8%B3%AA%E5%95%8F-P-F-%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC/dp/4478006547/ref=sr_1_fkmr0_1?ie=UTF8&qid=1502521203&sr=8-1-fkmr0&keywords=%E7%B5%8C%E5%96%B6%E8%80%85%E3%81%AB%E8%B4%88%E3%82%8B%E3%81%A4%E3%81%AE%E8%B3%AA%E5%95%8F

 

参考図書:『経営者に贈る5つの質問』
発行年月:2009年2月
著者:P.Eドラッカー(Peter F. Drucker)
訳者:上田惇生(うえだ・あつお)
発行所:ダイヤモンド社

※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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