みなさんは順境と逆境に上手に対処できていますか?

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第29回

~『頂きはどこにある?』(スペンサー・ジョンソン)を読んで学んだこと~

 

人生は山あり谷ありが当たり前

 

前回は、2匹のネズミと2人の小人の物語をご紹介しましたが、今回は、同じ著者の本で、1人の若者と1人の老人について書かれた物語をご紹介します。

人生には良い時と悪い時がありますが、それが関連しているということに気づいている人はほとんどいないと思います。前回のチーズの話と違って、本書はやや禅問答のような内容となっておりますが、基本的には、良い時には謙虚にし、悪い時は勇気をもって前に進むことの大切さについて書かれています。

本書も前回同様、すべてが啓発的内容となっていますが、私は特に下記引用部分が気に入りました。

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/%E9%A2%A8%E6%99%AF-%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3-%E9%9B%B2-%E7%A9%BA-%E8%8D%89-%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3-%E4%B8%8A%E6%B5%81-%E5%B1%B1%E3%81%AE%E9%A2%A8%E6%99%AF-%E5%B1%B1-1808255/

 

【この本のポイント!】

(前略)老人は話はじめた。「このことから始めるのがいいだろう―—―」

どこでも、誰にでも
仕事でも私生活でも
かならず山と谷がある。

若者はがっかりした。期待した答えではなかった。
「『山と谷』というのは、どういう意味ですか?」彼は聞いた。
「『人生の』山と谷―—―仕事や生活で味わう浮き沈みのことだよ。
そういう順境や逆境は、数分間かもしれないし、数カ月間か、もっと長いかもしれない。
人に山と谷があるのは、地上に自然の山と谷があるように普通のことなのだ。どちらの山と谷もいたるところにあり、同じようにつながっている。
仕事でも私生活でも、幸せを感じる部分もあれば、不幸を感じる部分もあるだろう。当然のことだ。世界中のどの人も、どの文化圏の人も同じだ。人間につきものなのだ」
若者はため息をついて言った。「僕だけじゃないんだ」
老人は笑った。「もちろんだよ!自分だけのように思うときもあるだろうけど」
そして、つけ加えた。「私たち各自が出くわす幸せ不幸せも実にさまざまだが、それはまったく同じ経験をする人は一人としていないからだ。たとえ同じような状況であってもね。
次のように言ってもいい―—―」

山と谷は
ただ順境と逆境のことを
いうのではない。

外部の出来事を
心の中でどう感じ
どう対応するか
ということでもある。

「君がどう感じるかは、おおむね状況をどう見るかにかかっている。カギとなるのは、自分に起きた出来事と、自分をどう評価しているかを分けて考えることだ」
老人はつづけた。「人は悪いことが起きたときでもいい気分でいられることがわかったので―—―」
突然、若者が口をはさんだ。
「じゃあ、谷底でうまくいかなくても、幸せでいられたはずだと言うんですか?反論したくはありませんが、でもそうは思えません。
谷底では『何一つ』うまくいかなかった!そりゃ、頂きのここに座っているあなたがそう言うのは簡単でしょう。ここでの人生は谷間の僕の人生とは何の関係もない!僕のいる世界とはまるで違うんです」
老人は若者の感情の爆発に気を悪くしたようすはなく、ただ黙って座っていた。
若者もだんだん落ち着いてくると、ばつが悪そうに言った。「すみません。気持ちが落ち込んでいるのはわかっていたんですが、少々苛立ってもいたようです―—―思っていた以上に」
老人はうなずいた。「わかるよ」
それから言った。「君は、山頂の私の人生と谷間の人生には何の関係もないというんだね。それなら、聞かせてほしい。
ここに来る途中、谷間とこの山頂の間に割れ目や大きな穴があったかい?」
「いいえ、気づきませんでした。どこにあったんでしょう?」
老人は何も言わなかった。
若者は思案し、それから笑い声をあげた。「そんなものはないんですね」
「そのとおり」老人は言った。
「山と谷はつながっているわけですからね」と若者。
「鋭いね」老人は笑みを浮かべた。「どこまでが谷でどこからが山か、誰が言えるだろうか?
重要なのは、自然の山と谷も、人生の山と谷も、つながっているということだけでなく、『どのように』つながっているかを理解することだ」
それから、さらに詳しく述べた。

山と谷はつながっている。

今日の順境で
過ちを犯せば
明日の逆境をつくり出す。

そして、今日の逆境で
賢明なことを行えば
明日の順境をつくり出す。

「たとえば、逆境でも『山と谷の対処法』を用い、基本に立ち返り、最も大切なことに専念すれば、事態を好転させることができる」
若者はつけ加えた。
「…それが、順境をつくり出す!」
「そう」老人は言った。「しかし、順境にうまく対応できなくてその後の逆境をつくり出していることに気づかない人が多すぎる。彼等はあまりに多くの力を浪費し、基本を忘れ、最も大事なことをないがしろにする。そうすると、どうなると思う?」
若者は言った。「ふたたび逆境になる!」
若者はそのとおりだと認めざるをえなかった。「僕たちは思っている以上に順境や逆境を『つくり出し』ているんですね」
「そうなんだよ!」老人は声をあげた。若者が自分でいろいろと発見しはじめたのを見て、目を輝かせた。(後略)

『頂きはどこにある?』P22~29

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/%E3%82%BF%E3%83%88%E3%83%A9-%E5%B1%B1%E8%84%88-%E5%B2%A9-chocho%C5%82owska%E8%B0%B7-%E9%A2%A8%E6%99%AF-1623853/

 

人でも組織でも、そして、国でも、良い時期が続くとそれが永遠に続くように錯覚し、努力を怠りますし、逆に、悪い時期が続くともうダメだと失望し、意気消沈してしまいます。

人間や組織であれば、良い時は往々にして謙虚さを失い、傲慢になってしまうことで人や取引先が離れ、悪い方向へ落ちていってしまいます。一方で、悪い時は反省し、謙虚さを取り戻して奮起することで、協力者が現れて運気が上向きます。

国であれば、良い時はそれに安住することで次第に全体的な活力が失われていきますが、悪い時は、皆が危機感を感じ、努力することでイノベーションが発生しやすくなります。

このように考えると、山と谷はつながっているということがいえますが、実際にその中に身を置いているとなかなか実感がわきません。ただ、言えることは、自然に山と谷があるように、その他のことについても、それが存在している限りは大なり小なりの山と谷は必ず存在するということです。死んでしまったら山も谷もありません。生きている以上は必ず凹凸があります。大事なことは、自分たちが今山にいるのか谷にいるのか理解し、それに対して必要な行動を取ることです。そうすれば、山の部分はできるだけ長く、谷の部分はできるだけ短くすることも不可能ではない。そのような視点を本書から学びました。

 

一介の読書オタクより

 


画像引用元:https://www.amazon.co.jp/%E9%A0%82%E3%81%8D%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%93%E3%81%AB%E3%81%82%E3%82%8B-%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3/dp/4594060528

 

参考図書:『頂きはどこにある?』
発行年月:2009年9月
著者:スペンサー・ジョンソン(Spencer Johonson, M.D.)
訳者:門田美鈴(かどた・みすず)
発行所:扶桑社

※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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