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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第140回

~『恋愛依存症のボクが社畜になって見つけた人生の泳ぎ方』(須田仁之著)を読んで学んだこと~

 

ハードワークもほどほどに・・・なんてなかなかできないものです。

 

本書は一風変わったタイトルが目を引きますが、著者の過去の壮絶人生が赤裸々に描かれています。
類書として、昨年読んだ『SHOE DOG(シュードック)』(ナイキの創業者であるフィル・ナイト氏の自伝)を読んだ時は、彼がかつて体験してきた様々なできごとに彼なりのユーモアも相まって非常に楽しみながら読ませていただきました。ただ、彼はもうナイキの経営から退き、年齢的にもお爺さんで、今さら格好つけることはないという達観した部分であり、だから、内容的にも失敗談がちりばめられていて読者の共感を誘ったのだと思います。

また、たまたま上記と相前後して読んだ『究極の男磨き道 ナンパ』(零時レイ著)もこれも過去の失敗をさらけ出し、話も非常におもしろいのですが、著者はペンネームを使っています。

そういう意味では、まだ現役バリバリの方が、しかも実名で、これだけの失敗をさらけ出しているというのは驚きです。とても成功したところはさらっと触れられているだけなので、ほとんど失敗ばかりしているような印象さえ受けてしまいます(笑)。

ただ、この3名の著者を読むにつれ、研究者や何か専門性を持っている人でなく、たとえ何かのテーマでもって語ることが難しくても、みんなそれぞれ人生にドラマを抱えているんだと思えるようになりました。

もちろん、本を出して語るような人は特に「おもしろい」経験をしているのかもしれませんが、誰しも失敗と成功の経験があり、それら反省し、糧にして前に進んできたから今があるはずです。

少なくとも、自分は何も語るものが無いと嘆くぐらいなら、自分の過去の経験を他人と共有するのはいかがでしょうか?自分の中では当たり前だと思っていることでも、他人にとっては唯一無二の経験を積んでいると思われるかもしれませんよ。

前置きが長くなりましたが、以下が今回の引用箇所です。

 


画像引用元:
https://pixabay.com/ja/photos/%E3%83%A0%E3%83%BC%E3%83%B3-%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%AB-%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC-%E6%84%9B-3059324/

 

【この本のポイント!】

炎上はほぼ毎日起こっていた。

「顧客の家でモデムのアダプタが熱で溶けてるとの報告がありました!」

初期にソフトバンクグループの社員向けのクローズドサービスをしていたときだった。あわや火事に繋がる大惨事だ。韓国の弱小メーカーに発注した初期の安物モデムだった。
「大至急回収だ。そして業者を替えろ!」
こんな調子だった。
不眠不休の毎日が続いたため、主担当していた社員が倒れるのはザラだった。
「NTT担当が倒れてしまい、現状の進捗が確認できません!」
「顧客データシステム構築の担当が倒れました。もうしばらく出社できない模様です!」
千丈では仲間が倒れることを気にしていたら自分も殺(や)られる。
人を気にしている余裕はほとんどなかった。毎日ユンケルを2本飲んで、ドーピング的にエナジー補充しないとついていけなかった。(中略)

ヤフーにて先行予約を取り始めると、サービスのインパクトもあってジャンジャン予約が入ってきた。
現場としては「これはヤバイ、本当にお客さんが集まってしまった」という感覚だった。完全にルビコン川を渡った、後戻りはできない。(中略)

「一般顧客宅にて、無事、通信が繋がった模様です!」
本プロジェクト始まって以来の明るい報告だった。
孫さんはものすごく上機嫌になった。
「やった!繋がったぞ!ほろ、みんな、やっぱり繋がったぞ!」
少年のような喜び方だった。まるで、幼稚園児が砂場で山を作って、トンネルを掘って、「やった!繋がったよ~!!」とはしゃいでいるように。(中略)

恐らく、孫さんだけがこの「繋がった」という事象の意味を噛み締めていたのだろう。その後、ソフトバンクは本当に通信事業者になるわけだが、今考えればこれは未来に向けた大きな一歩だった。現場のプロジェクトメンバーはそんな実感は一切なく、相変わらずのゲリラ戦場な日々は変らなかった。

数日たっても、孫さんは上機嫌だった。ある日、トラジの焼き肉に続いて、僕らにも小さな幸福がもたらされた。再び、そのとき関わっていたスタッフ全員が会議室に召集された。
「お前ら、本当に頑張ってくれた!ありがとう!これはオレからのボーナスや!」
と、焼肉のおごりに続き、現金の入った分厚い封筒が孫さんから一人一人に手渡しで配られたのだ。(中略)封筒の中身をチラッと見ると、ゲンナマ100万円が入いっていた。(中略) 

ソフトバンクは既に大企業になっていたのに、焼肉おごりや現金封筒手渡しなど、孫さんは中小企業の社長みたいな「現場に優しいおちゃめプレイ」を幾度となく見せてくれた。戦場でハードワークを強いられていた僕らにとって、「総大将」に憎めない感情を抱かせる好プレイだった。(後略)

『恋愛依存症のボクが社畜になって見つけた人生の泳ぎ方』P127~P130

 


画像引用元:
https://pixabay.com/ja/photos/%E7%8A%AC-%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%AF-%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%BB%E3%83%AB-%E3%83%86%E3%83%AA%E3%82%A2-4193723/

 

行きがかり上、90年代や2000年代に大企業への階段を上っていった会社についてやその社長が書いた本を読んできましたが、ソフトバンクの頃もご多聞に漏れず、そうとうブラックだったのが垣間見れます。

当時はブラック企業なんて言葉はありませんでしたが、この頃までは、モーレツ社員や企業戦士というような日本企業特有の企業文化が多くの会社で続いていたのがうかがい知れます。

ここでも書かれている通り、目の前に仕事が山積みになっていると、それを解決するために全力で働き、結局は自分の身体のことは疎かになり、いつかは倒れることになります。

とは言っても、多少心と体に負担をかけても、やらなければいけない時もありますし、それを乗り越えてこそ精神的にも肉体的にも強くなれるのも確かです。

成長するためには心にも体にもある程度の不可は必要。ただ、修復できない程体調を崩してしまうと取り返しがつかなくなる。一方で、そうならないためにも、不可をかけつつもそれを解消するための方法を学び、実践していくというしたたかさも必要で、結局は、正解はないということです。少なくとも、本引用箇所のようなやり方が今現在のどこかで起こっていても、むやみやたらとブラックだと批判するのはやめた方がいいでしょう。

他方で、読書オタクも最近は前よりも体調不良になる確率が上がってきているような気がします。

人生の中でこのようなハードワークをしなければいけない時期があるのは理解しており、だから今は頑張っているというのもありますが、体調を崩すと仕事もできません。

時は金なり。ということわざがありますが、健康こそが金なり。だと思います。

ですので、ハードワークしつつも健康にも配慮した生活をしている・・・つもりがそうはなっていないのが悩みどころです。

一介の読書オタクより

 


画像引用元:https://www.amazon.co.jp/%E6%81%8B%E6%84%9B%E4%BE%9D%E5%AD%98%E7%97%87%E3%81%AE%E3%83%9C%E3%82%AF%E3%81%8C%E7%A4%BE%E7%95%9C%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E8%A6%8B%E3%81%A4%E3%81%91%E3%81%9F%E4%BA%BA%E7%94%9F%E3%81%AE%E6%B3%B3%E3%81%8E%E6%96%B9-%E3%83%A8%E3%82%B7%E3%83%A2%E3%83%88%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E9%A0%88%E7%94%B0-%E4%BB%81%E4%B9%8B/dp/484709767X/ref=sr_1_2?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E6%81%8B%E6%84%9B%E4%BE%9D%E5%AD%98%E7%97%87&qid=1563088858&s=gateway&sr=8-2

 

参考図書:『恋愛依存症のボクが社畜になって見つけた人生の泳ぎ方』
発行年月:2019年2月
著者:須田仁之(すだ・きみゆき)
発行所:ヨシモトブックス

※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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