みなさんは学習のための計画を立てていますか?

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第122回

~『イノベーションのジレンマ』(クレイントン・クリステンセン著)を読んで学んだこと~

 

大事なのは、アクションプランではなく、スタディプラン?

 

本書はハッキリ言って読みにくいです。難しい言葉が多いですし、取り上げられている事例も数十年前の古いものだからだと思いますが、その中でもやはり普遍的なノウハウがあるのでは?と、自分を鼓舞しながら(笑)読み進めました。

するとありました、現代でも通用する部分が、今の自分にもグサッと刺さるようなないようでしたので、以下に引用します。

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/ビジネス-イノベーション-お金-アイコン-グラフ-561387/

 

【この本のポイント!】

 

アイデアの失敗と事業の失敗

(中略)アイデアの失敗と企業の失敗とでは大きな違いがある。破壊的なマイクロプロセッサーがどこで使われるかに関するインテルの予想の多くはまちがっていた。さいわい、インテルは、正しい市場の方向がまだわからないうちに、誤った方向のマーケティング計画にすべての資源を使いきらなかった。マイクロプロセッサーの主な市場を探す過程で、最初にさまざまな間違いはあったが、会社としてインテルは生き残った。同様に、北米のオートバイ市場への参入方法に関するホンダの当初のアイデアはまちがっていたが、大型バイク戦略の追及に全資源を投入しなかったため、正しい戦略が見えはじめてから、そこへ積極的に投資することができた。(中略)
実際、成功した新規事業の大多数は、最初の計画を実行しはじめ、市場でなにがうまくいき、なにがうまくいかないかがわかってきたとき、当初の事業計画を放棄しているという調査結果が出ている。成功する事業と失敗する事業の最大の違いは、一般に、当初の計画の正確さではない。最初から正しい戦略を立てることは、新しい事業計画を立てて二度、三度と試行錯誤できるように十分な資源を残しておくこと(または、信頼できるパートナーや投資家との関係を保つこと)に比べれば、さほど成功のために重要な要素ではない。試行錯誤を繰り返して適切な戦略を見つける前に資源や信頼を失った場合は、事業として失敗である。

 

アイデアの失敗とマネージャーの失敗

しかし、たいていの企業では、適切な戦略を追求する過程で、個々のマネージャーが幾度も失敗するような余裕はない。たいていの組織のマネージャーは、失敗はできないと考えており、それは正しくもあり、まちがってもいる。当初のマーケティング計画が間違っていたために、管理しているプロジェクトが失敗したら、自分の成績に汚点が残り、出世にも影響が及ぶだろう。破壊的技術の新しい市場を探すプロセスには失敗はつきものなので、マネージャーが自分のキャリアを危険にさらすことができない。(中略)

 

学習のための計画と実行のための計画

(中略)一般的に持続的技術の場合は、計画を立ててから行動を起こす必要があり、正確な予測が立てられ、顧客の意見もそれなりに信頼できる。慎重に計画を立て、積極的に実行することが、持続的技術を成功に導く正しい方法である。
しかし、破壊的技術の場合には、慎重な計画を立てる前に、行動を起こす必要がある。市場のニーズや市場の将来の規模はほとんどわからないため、計画には全く別の目的が必要である。それは、実行のための計画ではなく、学習のための計画でなければならない。どこに市場があるかわからないという心構えで破壊的事業にアプローチすれば、新しい市場に関するどのような情報が最も必要なのか、その情報がどのような順序で必要になるかを見きわめられるだろう。事業の計画にこのような優先順位を反映させれば、かぎとなる情報を作成したり、重要な不明点を解決してから、資本、時間、資金を投入することになる。
(後略)

『イノベーションのジレンマ』P213~P217

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/倫理-右-間違った-倫理的な-道徳-整合性-正直-道徳性-2991600/

 

新しく取り組む事には失敗がつきものです。ユニクロの柳井の本のタイトルではありませんが、新規事業の勝率は1勝9敗です。実際のところ、アイデアベースも含めれば1勝29敗くらいじゃないかというのが私の実感です。

最近は中国でも日本でも、起業ブームとでも言えるような状況になっており、日本でも若い人や定年間近の人で起業する人が増えています。

ただ、成功する。と、言っても何をもって成功とするかが判断の分かれるところですが、とりあえず、自分が食えるようになったり、他人に仕事を与えられる立場になれた人が成功だと定義するならば、いきなり成功する人はほぼいないと思います。結果的に成功する人、失敗する人で分かれて、成功する人の方が圧倒的に少ないのですが、成功する人であっても、トータルの仕事量や収支で成功しているのであって、単純な案件の数で考えれば、失敗する数の方が圧倒的に多いと思います。

というより、何でも最初から上手くいくわけはありません。サラリーマン時代から個人的なファン(顧客)がいる状態で起業したり、社長が逃げっちゃったとか、会社が撤退や倒産したとかでお客様を引き継ぐカタチで起業したとかでない限り、最初はお客様自体がいません。このような場合は、どれだけ入念に計画したとしても、結局は机上の空論、予想に過ぎず、そして、その予想の多くは外れるものです。

そして、多くの人は、特に元々サラリーマンだった人は、自分でやりだすとサラリーマン時代はボーっとしていても毎月自動的に入ってきた収入が入らなくなり、慌てふためきます。

一ヶ月などあっという間に過ぎます。トライアンドエラーを繰り返すことで、徐々に正解に近づいている実感があっても、一ヶ月経って無収入、二ヶ月経って無収入、三ヶ月経って…と続いていくうちにお金がどんどん減っていき焦ります。

それに、自分だけであったらたとえお金がなくても、腹が減ったらりんごでも食っておけばいいや、
となりますが、養う家族がいたらそれどころではありません。ですので、養うべき人、面倒を見るべき人がいる人は、サラリーマンであってもなかなか辞める決断ができないでしょうし、辞めてからも独り者と比べてプレッシャーやハードルが高いのは間違いありません。

それはともかく、最初からある程度の期間は失敗し続けるという覚悟ができていれば、最初から飛ばし過ぎて、特定のあることに時間やお金をつぎ込み過ぎるという危険を減らすことができます。

その辺りを、本引用箇所は、具体的な事例を元にロジックに説明してくれています。

そして、その学習期間であっても、ただやみくもにやるのではなく、その学習期間用の計画をちゃんと立てることが大事だということを教えてくれているわけです。

なお、個人的には、起業で一番大切なのは覚悟だと思っています。そして、それは他人にも伝わります。覚悟が無い人は誰も助けてくれません。覚悟がある人なら、お金を貸してチャンスをくれたり、取引先が支払いを猶予したり、数ヶ月分先払いしてくれたり、他にもあらゆる方法でお金を工面する方法を思いつきます。

あきらめてしまう人は、つまるところ、覚悟が足りないだけだと思います。

 

一介の読書オタクより

 


画像引用元:https://www.amazon.co.jp/イノベーションのジレンマ-―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき-Harvard-business-school/dp/4798100234/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1545900842&sr=1-1&keywords=%E3%82%A4%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%81%AE%E3%82%B8%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%9E

 

参考図書:『イノベーションのジレンマ 増補改訂版』
発行年月:2001年7月
著者:クレイントン・クリステンセン(CLAYTON M. CHRISTENSEN)
監訳者:玉田俊平太(たまだ・しゅんぺいた)
訳者:伊豆原弓(いずはら・ゆみ)
発行所:文藝春秋
※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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